こちらは実践的な覚書です。
■露出の考え方
ストロボ光の届かない「背景」とストロボ光の届く「被写体」は別に考える。2枚のレイヤーを1台のカメラで同時に撮影しているイメージ。
1.ISOは100、絞りは開放でスタート。
2.背景の明るさはシャッタースピードを調整。
3.ノーストロボで背景のみの試し撮りをしてみる。
4.背景の露出が決まったら、ストロボを被写体に照射して撮ってみる。基準としてスタートの光量は1/4。
5.被写体の明るさはストロボの光量で適宜増減。
6.全体的に明るさが足りなければISOを上げる。
(7.被写界深度を変えて背景も入れたいときには絞りを調整し、2.へ戻る。)
ちなみに、絞りは絞るほどストロボの光を拾いにくくなるので、同じく露出を下げるとしても、極力絞りは開放のまま、NDフィルターで調整する方が影響が少ないということも実践で学びました。
■色合いの考え方
カメラのWBとストロボのカラーフィルターを併用することで、環境光の調整が可能。夜のポートレートの場合、街灯の明かりを拾って環境光がオレンジっぽくなりがちで雰囲気が出ないため、以下のセッティングをする。
1.WBを寒色(2700K~3000Kのあたり)に。
2.ストロボにオレンジフィルターを取り付け、被写体に照射。
3.環境光は青っぽく、被写体は肌色を保ったイメージになる。
オマケ:使用するフィルタが緑orマゼンタの場合、色かぶりをお互いに打ち消すことができる。
■アクセサリ
メインライトを45度斜め前のやや上方からストロボ照射する「レンブラント・ライティング」が基本ポジション(この辺は学生時代に舞台照明の授業があったので、何となく覚えていました)。
女性ポートレートでやわらかいイメージを作るときには、メインライトにソフトボックスやディフューザーを使用して、光を拡散。影をやわらかくする。メインライトの90度の位置にフィルライトを設置し、陰影の濃さを調整。
また、逆に力強さを表現したり、陰影を強調したいときにはストロボ直射、もしくはハニカムグリッドを使用する。
■夜景ポートレートでのストロボ使用
冒頭の「露出の考え方」の応用。背景と被写体を別に考える。
カメラのシャッタースピードが10秒でも20秒でも、ストロボの閃光は一瞬。
スローシャッターで夜景を写しつつ、ストロボの閃光で被写体を写せば、被写体ブレはない(もちろん三脚は必須)。
「背景」はカメラでゆっくり露光して写し、「被写体」はストロボで一瞬で写しとるという感覚が大事。
とりあえず、(自称)ストロビストを始めて、3ヶ月でわかったことの覚書です。
導入時のカルチャーショックのバロメータを図解すると、
■ ← とりあえず一眼レフカメラで撮る
■■■ ← 比較的よさげなレンズで撮る
■■■■■■ ← オフカメラストロボで撮る
こんな感じ(笑)
それくらい出来上がった写真に衝撃を受けましたし、あたかもカメラのベース性能が一段上がったかのような錯覚を覚えた次第です。機材の重要度も今は上記のように考えています。
写真の作風に個性を与えるとしたら、どんなシチュエーションよりも、凝った構図よりも、光と影を操ることが最も目に見えてわかりやすく、簡単でいて且つ奥深い表現だと学習した次第です(まる)
では、次回、何か書く機会があれば、もっと細かいところを掘り下げて書いてみたいと思います。